すおうおおしまのつきものよけぞくしん
周防大島の憑きもの除け俗信
国内
流言・風説
- どんな話か
- 死者の魂、狐憑きや犬神憑き、水難除けなど、周防大島町の暮らしに息づいてきた俗信の数々を集めたもの。
- 細部
周防大島町にはさまざまな俗信が伝わっている。人が亡くなってから四十九日を過ぎるまでは魂が家の棟元にとどまるとされ、その間は穢れを避けて氏神への参拝を控える。井戸を埋めると目を患うといわれ、いたちに悪戯されると馬鹿になるとも語られる。正月七日の朝には疫病神が戸口を回るとして線香を焚いて追い払い、うるしの木や獣の死骸のそばでは唱え言葉を口にして憑きものを避けた。
海で死んだ者の魂とされるミサキをはじめ、狐、犬神、蛇神、生霊などが人に取り憑くとされ、憑かれると体が腫れたり錯乱したりするといい、狐憑きを鎮めるために荒熊神社という祠まで祀られるようになった。このほか、弘法大師を名乗る旅の坊さんに教わったという疫病除けのまじないや、初夏から夏にかけてエンコ(カッパ)に引かれることを恐れて水浴びを控える日、女性を船に乗せると運が上向くが船が穢れるとする言い伝えなど、暮らしの節目ごとに結びついた俗信が数多く記録されている。
- 広まり方
- 主に『旅と伝説』1935年掲載、宮本常一「各地の民間療法―周防大島民間療法―」に多くが記録され、船にまつわる一件は『民間伝承』1942年掲載の高谷重夫「吉と凶の問題」による。
- 地域
- 山口県周防大島町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ