つくいのぞくしん
津久井の俗信
国内
流言・風説
- どんな話か
- 死と葬り、出産、動物、天候をめぐって語られた、日々の禁忌と兆しの言い伝えをまとめたもの。
- 細部
亡骸は頭を北に顔を西へ向けて納めるものとされ、それは釈尊の入滅の姿にならうという。北を枕にして眠るのは魔を退ける良い作法だとも言われた。新しい墓に早々と石碑を立てると次の死が近いとされ、川原の石は生きているから墓標にしてはならないと戒めた。膳や茶碗が早く欠けるのはむしろ良いとされ、墓の茶碗が割れるまで魂は成仏しないとも語られる。魂は四十九日まで屋根の上に、百か日までは大山にとどまり、その後は善光寺へ向かうという。
産にまつわる言い伝えも多く、胞衣を埋める方角を誤ると子が患う、双子の胞衣は人の生まれ変わりなら一つ、動物なら二つ、男女の双子は心中した者の生まれ変わりだとされた。子の襟足の毛を残しておけば囲炉裏に落ちても荒神が助けるともいう。ほかに、夜の爪切りは狐を招く、屋敷の枇杷に実を成らせると凶事がある、三人で写真を撮ると真ん中の者が死ぬので玩具や盆栽を添える、夕方に塩を買うと狼がついてくる、雷が鳴るとき裸でいると臍を取られ、猫を抱けば雷が乗り移る、蛇が道を横切ると異変が起きる、蛇は殺して遠くへ捨てても翌日には元の場所に戻っている、烏の鳴き方が悪ければ人が死ぬ、馬を焼き殺せば三代祟る、菩提寺の本堂で怪しい音がすれば翌日に死人が出る、猫が亡骸をまたぐと死者が化けるので棺の上に箒を渡す、といった禁忌が並ぶ。
- 広まり方
- 1933年の『旅と伝説』に載る鈴木重光「神奈川県津久井郡地方」と、中里雅堂「相模大島の俗信」に記録がある。
- 地域
- 神奈川県相模原市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ