しとぜんちょうのぞくしん
死と前兆の俗信
国内
流言・風説
- どんな話か
- 烏の鳴き声や写真の撮り方など、日常のさまざまな行為に死や火事の前兆を読み取る那須地方の俗信の数々。
- 細部
- 那須地方には暮らしの端々に結びついた言い伝えが数多く残る。入浴中に子に乳を含ませると河童にさらわれる、小便を川でしてしまうと河童に引き込まれるといった水辺の戒めがある一方、鴉がやかましく鳴く、屋根に止まって鳴く、犬が長く吠え続けるといった鳥獣の振る舞いは、その方角や近所で人が亡くなる兆しだと受け取られてきた。写真は3人で並んで写すと中央に立つ者の命が危ういとされ、箒で亡骸を打つ、あるいは死者の傍らを猫が越えると亡骸が起き上がってしまうといった、弔いの場での禁忌も伝わる。鶏の鳴き真似や、鶏が宵の口に妙な声で鳴くことは火事の前触れとされ、偽りを口にすれば鬼に舌を抜き取られる、初めての雷鳴には残しておいた節分の豆を食べれば難を逃れられる、雷が裂いた木片は雷除けの護符になる、眉に唾を付けておけば狐や貂に化かされずに済む、寝床からはみ出て眠ると化け物に出くわす、三隣亡とされる日に屋根を葺けば近隣まで巻き込む災いを招く、古い猫を家から追えば祟りを受ける、天に現れる彗星は戦の兆しであるといった具合に、日々のふるまいひとつひとつに吉凶が言い添えられている。
- 広まり方
- 1936年の『旅と伝説』所収、小林政一郎「那須郡の俚諺的俗信」にまとめて記録されている。
- 地域
- 栃木県大田原市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ