くらしのぞくしん
暮らしの俗信
国内
流言・風説
- どんな話か
- 郡上市には箸を忌む俗信や乳の扱い、鬼の禁忌、狐狸の毛皮猟など、暮らしに根ざした俗信が数多く伝わっている。
- 細部
郡上市には暮らしにまつわるさまざまな俗信が伝わっている。箸が折れることは不吉とされ、二本の箸を持ったときに外側の一本が折れると他人に不幸が起こり、自分に近いほうの箸が折れると自分自身か近親者に不幸が及ぶといわれていた。出産後の乳に関する俗信もあり、出すぎて余った乳をそのまま捨てるとアリがこれを舐めてしまい、「乳が上る」といって以後乳の出が悪くなるとされたため、捨てる際には壁にしみ込ませるようにするのがよいとされていた。
悪いことをすると鬼に焼いて食べられるという禁忌の言い伝えもあり、子どもを戒める言葉として使われていたようである。また、狐や狸については、冬場には肉を食べることもあったが、捕獲の主な目的は毛皮を売ることにあり、とりわけ狐の毛皮は高値で取引され、胃は薬としても用いられたという。ただし、狐を捕らえるとバチが当たるとも信じられていたため、実際にこれを捕る猟師は少なかったと伝えられている。このほかにも、妊娠や出産、死の予兆、動物にまつわる言い伝え、夢占い、呪術的な習わしなど、暮らしのさまざまな場面に対応する俗信が一束ずつ記録として残されている。
- 広まり方
- 1942年の『民間伝承』掲載の郡上農林学校による食習調査、1979年の『和良の民俗―岐阜県郡上郡和良村―』、1987年の『民俗採訪』岐阜県郡上郡高鷲村調査などに記録がある。
- 地域
- 岐阜県郡上市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ