きつねのぞくしん
狐の俗信
国内
流言・風説
- どんな話か
- 美濃加茂市には狐の化かし、狐憑き、狐の嫁入り、まじないなど狐にまつわる俗信が数多く伝わっている。
- 細部
美濃加茂市には狐にまつわる俗信が数多く伝わっている。狐が娘の姿に化けて人をだますときには、ミミズをうどんに、馬糞を牡丹餅に、ため池を風呂桶に見せかけるのだといい、こうした化かしは明治の御一新より前にはたびたびあったとされる。精神に異常をきたした人がいると、それは狐が取り憑いたためだと考えられ、油揚げや赤飯を欲しがったり目つきが狐のようにつり上がったりするといわれた。
体に腫れた箇所があるとそこに狐が入り込んでいるとされ、その部分を叩いたり、青い松葉でいぶして狐を追い出そうとしたりする対処法も伝わっている。狐が「コン」と鳴けばお産があり、「ワイワイ」と鳴けば凶事の前触れだとされ、晴れているのに雨が降るときは赤石の下で狐の嫁入りが行われているのだと語られた。化かされないためのまじないとして、眉に唾をつけておくとよいとも言われ、狐を見たことがないなどと軽々しく口にしてはいけないとも戒められた。
そのようなことを言うと、一本橋のところで待ち合わせようと狐から返事をされてしまうからだという。さらに、馬の爪に狐が小便を浴びせかけると、青みがかった紅色の光がまるで火のように灯って見えるといい、夜の野原でこれを見かけると狐火と呼ばれる。狐の中でもイヅナ、あるいはクダと呼ばれる特別な狐がいて、八卦見や巫女の中にはこれを使い狐として飼う者もおり、よく物事を言い当てたという。イヅナは繁殖力が強く、雨の日には衣類の中に入り込んで濡れてしまい厄介だとも伝えられている。
- 広まり方
- 1916年の『郷土研究』に掲載された林魁一の報告に8件まとめて記録されている。
- 地域
- 岐阜県美濃加茂市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ