とおののさけにうまれかわったむすめ
遠野の鮭に生まれ変わった娘
国内
流言・風説
- どんな話か
- 農家の娘が神隠しに遭い、消えた後に鮭となって現れたり老婆となって帰ってきたりしたという三つの話。
- 細部
ある農家の娘が突然何かに取り隠されて姿を消し、家族は死んだものと諦めていた。ところがある日、田の掛け稲の陰にその娘が立っているのを見た者があり、すでに気性が変わってしまっていて、すぐにまた立ち去ったまま二度と帰らなかったという。別の家では医者の一人娘が神隠しに遭い、数年後に台所の流しから鮭が飛び込んできたことから、あれは娘の生まれ変わりだろうと言われ、以来その家では鮭を口にしなくなった。
さらに別の話では、若い娘が梨の木の下に草履を残していなくなり、三十年余りが過ぎたころ、すっかり老いさらばえた姿で親類の家に戻ってきたという。人々に会いたくて帰ってきたとだけ告げて再び消えたこの娘は、風の激しい日に帰ってくると言われている。
- 広まり方
- 1915年刊『郷土研究』の柳田国男「山男の家庭」、1925年刊『民族』の佐々木喜善「鮭を食はぬ家」、1996年刊『東北民俗』の岩本由輝「サムトの婆々と佐々木喜善」などに記録がある。
- 地域
- 岩手県遠野市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ