かみかくし
神隠し
国内
流言・風説
- どんな話か
- 顔の赤いテングサマに導かれた少年、クダ狐に化かされ炭竈で見つかった二人組など、山で行方をくらました五件の神隠し譚。
- 細部
- この地域には、人が忽然と姿を消し、後になって思いがけない場所や様子で見つかるという神隠しの話がいくつも伝えられている。ある男は十六歳のとき、顔が赤く鼻の高い人物に連れられて明神山まで行ったことがあったといい、この人物はテングサマであったとされる。また、山に入ったまま戻らなくなった二人の少年を村人総出で探したところ、炭竈の中から発見された。少年たちの話では、山でリスを追いかけているうちに方角が分からなくなり、そのまま眠り込んでしまったのだといい、村では今もクダ狐に化かされたのだと信じられている。生まれつき物覚えの遅い十五、六歳の青年が家を出たまま行方知れずになったこともあり、翌朝見つかった際には、山で薬師様と天狗に導かれて遊んでいたのだと語った。嫁いで間もない二十二、三歳の女は、夫と口論した末に山仕事に出たまま帰らなくなり、十日ほどして山中で痩せ衰えた姿で発見された。女の話では若い男が時折訪れて食べ物を与えてくれたというが、発見時の様子からすると実際にはずっと絶食状態にあったとみられる。さらに、十七歳ほどの青年が行方不明になり、七日目になって自宅の床下から見つかったこともあった。本人によれば、家を出て兄のもとへ向かう途中で白い衣をまとった人物に出会い、追いかけられて夢中で逃げているうちに記憶を失ったのだという。
- 広まり方
- 1931年の『郷土研究』所収、早川孝太郎「神かくしの類例五ツ」に記録がある。
- 地域
- 愛知県東栄町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ