いぬ
犬
国内
流言・風説
- どんな話か
- 大旱魃の折、体の湿った犬を追うと山奥に湧き水を見つけて水中で石になった話と、犬が導いた嘉手志川の泉で村が救われた話が伝わる。
- 細部
- 国全体が大旱魃に見舞われたとき、人々は水を求めて海にまで漕ぎ出さねばならないほど困窮していた。そんなとき、ある山から一匹の犬が姿を現した。その体がひどく湿っていることを不思議に思った人々が後を追っていくと、山の奥に湧き水を見つけることができた。犬はその水の中に入っていったかと思うと、たちまち石に姿を変えてしまったという。もうひとつ、南山王国の城山の北麓にある嘉手志川という大きな清水にまつわる話も伝わっている。かつてこの地の人々は飲み水が乏しいために別の土地へ移り住もうとしていたが、そのとき岡の茂みから一匹の犬が飛び出し、その場所に泉があることを教えてくれた。おかげでこの地に安住することができるようになり、今でも井泉の上にある石は、その犬の霊が宿る場所として拝まれているという。
- 広まり方
- 1935年の『旅と伝説』所収、比嘉春潮「球陽伝説抄(二)」、および1949年の『民間伝承』所収、大藤時彦「犬飼はずなど」に記録がある。
- 地域
- 沖縄県糸満市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ