すぎやくし
杉薬師
国内
物品・機械
- どんな話か
- 帝の病の原因とされた築館の大杉は伐っても切り口がふさがり倒れず、茅の縄で封じてようやく伐り倒し、跡に薬師如来を祀ったという。
- 細部
築館の地にはかつて、幹の太さも高さも並外れた杉の巨木がそびえていたという。天平の御代、時の帝であった孝謙天皇が原因不明の病に伏し、どのような薬も効かずにいたため、占いにかけたところ、この陸奥の大杉の梢が雲を突くほど高く伸び、その影がはるか都の御所にまで及んでいることが病の障りだと判じられた。そこで大納言が勅命を受けて現地に下り、この木を伐らせることになったが、斧を入れるたびに切り口から血が噴き出し、一晩明けるとまた元通りにふさがってしまい、いくら伐っても倒すことができない。
困り果てて再び占わせたところ、杉の東北に広がる野に生えた茅で縄をない、切り口をその都度縛って封じながら伐り進めれば良いと出たので、その通りにしてようやく巨木を倒すことができた。倒れた際に飛び散った木くずは一片も残らず消え失せ、同時に天皇の病もすっかり癒えたという。勅命によって伐り株の跡に仏堂が建てられ、のちに慈覚大師がそこへ薬師如来を安置したことから、この地は杉薬師と呼ばれるようになった。
- 広まり方
- 1956年刊『宮城縣史 民俗3』伝説・祠堂の部に記録がある。
- 地域
- 宮城県栗原市
- 年代
- 奈良時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ