くれのうみでひかってもどるじぞうさま
呉の海で光って戻る地蔵様
国内
物品・機械
- どんな話か
- 漁師が持ち出した地蔵が海へ捨てられたのち、海中に光る姿で見つかり、もとの薬師堂へ戻されたという話。
- 細部
- 蒲刈島に伝わる話である。もとは薬師堂にあった地蔵を、ある漁師が欲しがって持ち出し、シノベという浜辺まで地蔵を背負い下ろしていった。ところが積み込もうとする段になって急に重みが増し、どうしても船に乗せることができなかったため、やむなく地蔵を海へ投げ入れてしまった。それから月日が経ったある日、海辺を歩いていた者が沖のほうで海面がぼうっと光っているのに気づき、近寄ってみるとそこに沈んでいたのは例の地蔵であった。見つけた人はこれを引き上げ、もとどおり薬師堂まで運んで返したという。持ち去ろうとすれば重くなり、忘れられた頃に光を放って見つかるという展開に、地蔵の意志のようなものが読み取れる話である。
- 広まり方
- 1981年の『広島民俗』所収、原田三代治「上蒲刈島宮盛の民俗(2)―『原田トシノ』ノートより―」に記録されている。
- 地域
- 広島県呉市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ