ひけしべんてん
火消し弁天
国内
物品・機械
- どんな話か
- 慶長5年、九鬼軍が火を放った岩屋寺本堂を、白馬に乗った藤島弁天様が弁天の井の水で消し止め、軍勢は恐れて逃げ去ったという話。
- 細部
- 南知多の岩屋寺には、藤島弁財天にまつわる噴き出る井戸があり、水量が豊かなことで知られている。慶長五年、鳥羽の九鬼大隅守の軍勢が略奪をねらって知多に攻め入り、岩屋寺の本堂にも火を放ったことがあった。その時、白馬にまたがった天女が忽然と姿を現し、南門近くにある「弁天の井」から水をすくい上げては、燃え盛る本堂の棟へと投げかけていった。すると火はみるみる消え、本堂はもとの姿のまま守られたという。攻め込んだ九鬼の軍勢はこの出来事に恐れをなし、何も奪うことなくそのまま逃げ去っていったと伝えられる。この天女こそ、藤島の弁天様であった。のちに村人たちがこの奇跡に気づいたのは、弁財天の像の足に泥がついているのを見つけたからだといい、人々はこのことに深く感動したという。
- 広まり方
- 1980年の『みなみ』掲載、鈴木立夏「尾張高野山俳句回想」、および1996年の『みなみ』掲載、南知多町誌編集委員会編「火消し弁天」に、それぞれの話が記録されている。
- 地域
- 愛知県南知多町
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ