とみさとのぞくしん
富郷の俗信
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 出産、育児、死、屋敷、夢、病まで、暮らしの節目ごとに細かな禁忌と手当てが伝わる。
- 細部
富郷には生活の各場面に関わる俗信が数多く残る。狩りでは、身内に不幸のあった家の飯を食べて出ると獲物に恵まれるという。産室で使った筵などは日に当てると家族に災いが及ぶため木陰へ埋め、後産は踏まれるほど子が丈夫になるとして人の通る場所に埋めた。産婦は二十日ほど油や茄子を断ち、火事を見れば子にホヤケができ、兎の肉を食べれば三つ口になるとされた。初誕生には紅白の餅を搗いて配り、男児には金槌、女児には金を背負わせて箕の中を歩かせる。
死の知らせは魔がさすのを避けて二人一組で回り、これをワザビトと呼んだ。屋敷には椿や無果実の木、山椒を植えるのを忌み、火や死人の夢は吉、金を拾う夢は凶とされる。寝小便には灸、夜泣きには寺での祈祷、いぼには水神と薬師への願、咳には桑の枝で作った瓢箪、乳の腫れには包丁で十文字を切る所作と呪文が効くと言われた。屋根の竹はスズメドマイと呼び、幣を立てるまで雀がとまるのを嫌った。
- 広まり方
- 1963年の『あゆみ―富郷の民俗―』に収める森正史監修「生活伝承」「社会伝承」「信仰伝承」に計十五例が記録されている。
- 地域
- 愛媛県四国中央市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ