まつやまのぞくしん
松山の俗信
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 葬送の作法から天候・夢・海上の禁忌まで、暮らしの各場面に及ぶ言い伝えの集成。
- 細部
葬送では、出棺のさいに鉦を三度打って知らせ、門口の石に茶碗を投げつけて割る。見事に割れれば死者が極楽へ迎えられると信じられた。棺を担ぐのは喪主を除く近親で、履いていた草履の緒を切って捨て、橋を渡るたびに僧が銅鑼を鳴らして悪鬼を追い払った。産と月経は忌みごととされ、後産は日に当てず夜のうちに海辺へ埋めた。天候では、朝虹を大雨の兆しとし、秋の夕焼けは晴れ、夏の夕焼けは雨とみた。
烏が近くで鳴けば死者、森で鳴けばお産があるとし、人魂が飛べばその家に死人が出るという。夢では一富士二鷹三茄子や葬式・火事を吉、歯の抜ける夢や子が生まれる夢を凶とした。海上では水死者に出会えば大漁と喜ぶ一方、粗末に扱えば不漁になるとし、梅干や熱湯を海へ捨てること、若夫婦を同じ漁船に乗せることを避けた。抜けた歯を床下や屋根へ投げる作法、箸を十字に置いた水を飲んでしゃっくりを止める法なども伝わる。
- 広まり方
- 1933年の『旅と伝説』所収、和田狐村「愛媛県松山市地方」、1960年の『あゆみ―ふるさとの民俗―』所収、吉田永祥「伊予の百人づれ―睦月島の民俗―」、および1968年の『あゆみ―忽那諸島の民俗―』(森正史監修)の各章に記録がある。
- 地域
- 愛媛県松山市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ