いいだのぞくしん
飯田の俗信
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 鬼児・夢占い・憑き物落とし・年末年始の禁忌など、暮らしを取り巻く言い伝えの集まりである。
- 細部
生後二三か月で歯が生えた子は鬼児と呼ばれた。夢は吉凶を告げるとされ、鷹は吉事、蛇は金運、火事は近所の出産、歯が抜ける夢は近親の凶事を意味した。烏がしきりに鳴けば死人が出る、真夜中に雉が鳴けば地震か火事が起こるともいう。十二月二十九日につく餅は苦餅として避けられたが、二九をふくと読み替えてあえてつく家もあった。婚姻では丙午生まれの女性が敬遠された。ホンヤリ様と呼ぶどんど焼きの煙に当たれば健やかになり、その火で焼いた餅を食べれば病をせず、燃え残りの竹を屋根に上げれば火災を免れる。
厄年の者は夜半に銭を入れた椀を持って焼き場へ行き、中身を空けて帰るが、道中で人に会わず、同じ道を戻らず、振り返ってはならなかった。クダショウに憑かれたときはモトの葉を寝床に敷き、効かなければ胡椒をたき、なおだめならネギに拝んでもらってタテバライを行い、御幣が動き出したらそれを捨てに行く。それでも離れなければ、二人がかりで水窪の山祇神社まで御犬様の箱を借りに行った。
- 広まり方
- 1933年の『旅と伝説』岩崎淸美の報告、1979年の『遠山の民俗』、1998年から2001年にかけての『伊那』掲載記事(片桐知子・依田時子・市瀬長年ほか)にまとめられている。
- 地域
- 長野県飯田市
- 年代
- 昭和
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ