となえごとのぞくしん
唱えごとの俗信
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 百日咳治しや詫びの文句、火の玉除け、悪夢祓いなど、唱えごとにまつわる俗信が伝わる。
- 細部
阿蘇市には、日々の暮らしの中で唱えごとによって災いを避けようとする俗信がいくつも伝わる。葬式の際に仏前へ供えられた五十個の餅を、家の者に知られぬよう盗んで食べると、長引く百日咳が治るとされた。鼬に行く手を横切られることは『いたち道』と呼んで忌み、出くわしたときは特定の文句を三度唱えて凶事を打ち消す。鼬が右から左へ通るのは吉、左から右へ抜けるのは凶とされた。誤って川に小便をしてしまったときには水を汚した詫びを述べる唱えごとがあり、ある地区では河童に川を洗い流してもらうよう頼み、別の地区では川の神に許しを乞うた。
夜道で火の玉に行き会ったときは、誰の魂とも知れぬそれを引き留める意味の古い文句を三度唱えながら、着物の褄を針で縫う仕草をする。不吉な夢を見て目覚めた朝には、起きぬけにその夢を獏に食べさせる旨の文句を三度唱え、悪夢の効力を打ち消したという。
- 広まり方
- 1933年の『旅と伝説』所収、八木三二「熊本県宮地町地方」に五十の餅の話が、1936年の同誌所収、八木三二「肥後国阿蘇郡俗信誌―その一、唱えごと―」に唱えごと5件が、それぞれ記録されている。
- 地域
- 熊本県阿蘇市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ