やさぶろうばあさん
弥三郎婆さん
国内
未確認生物
- どんな話か
- 佐渡の五十里で生まれた弥三郎婆さんは人を食う鬼婆となって越後へ追われ、切られた腕を取り返しに黒雲に乗って毎年故郷に嵐を起こすという。
- 細部
弥三郎婆さんは、もとは佐渡の坑で働かされていた越後弥彦村出身の弥三郎の母だったという。息子が坑での労苦の末に亡くなり、その骨を渡してほしいと言い残したことを知って嘆き悲しむ母を、名主が気の毒に思って家に迎え、子守を任せた。子ども好きだったはずの老女だが、やがて子どもを食うようになってしまい、代官所に引き出されると口が裂け二本の角が生えた鬼女の姿になって代官に襲いかかった。
応戦した者に腕を切り落とされ、老女は黒雲に乗って姿を消したという。別の話では、馬を襲おうとした鬼女が返り討ちに腕を落とされ、後日それを取り返しに訪れた老女が悪事を改めると誓ったので腕を返したとも語られる。以来、弥三郎婆さんは故郷である五十里の祭りの前夜になると、必ず黒雲に乗って風雨を巻き起こしに訪れるといい、九月十三日は朝晴れていても暴風雨になるとまで言い伝えられている。
- 広まり方
- 『旅と伝説』1936年掲載、中山徳太郎「佐渡に於ける二三の祭雜考」および『新潟県史 資料編23 民俗2』(1984年)所収、浜口嘉寿夫「伝説」に記録がある。
- 地域
- 新潟県佐渡市
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ