やつしろのやまわろのすがたがえ
八代のヤマワロの姿変え
国内
未確認生物
- どんな話か
- 山仕事を手伝う一方で悪戯もするヤマワロは、時季や時間によって河童のガラッパやガワタロウに姿を変えるとも語られる。
- 細部
東陽町など旧八代郡河俣村の一帯には、ヤマワロと呼ばれる山の妖怪の伝承がいくつも残る。木出しなど山の作業を手伝ってもらう場面がしばしばあるとされ、日中に人が口ずさんでいた歌の節をいつのまにか覚えていて、夜になってから同じ歌を歌う声が響いてくるという言い伝えがある。ヤマワロが行き来する筋道でつい昼寝をしてしまうと、金縛りのような目に遭うとも言われる。夜ふけには何匹ものヤマワロが人知れず風呂に入りに来ることがあり、翌朝湯船を確かめると脂ぎった汚れが残り、強い臭いを放っているという。
姿については、体格は乳児ほどで全身が毛に覆われていると語られ、小豆で炊いた飯を好み、山仕事を手伝ってもらった礼にはオコゼの干物と酒を供える習わしがある。山中の炭焼き小屋にしつらえた風呂にもヤマワロは入りに来るとされ、墨壺の墨を仕事場のまわりに引いておくと、その線を越えて中には入ってこられないという。坂本町ではまた別の呼び方もあり、ヤマタロと呼ばれる存在が夏の土用の入りに川へ下ってガラッパへと姿を変え、土用の明けにふたたび山へ戻るとも語られる。さらに同じ坂本町には、ヤマワロとガワタロウが半日ごとに山と川の住みかを入れ替えているという話も伝わっている。
- 広まり方
- 1951年の『みんぞく』所収、丸山学「山童河童資料」と、1974年の『日本民俗学』所収、小野重朗「河童の系譜と山の神」に記録がある。加えて、1985年の『季刊人類学』所収、奥野広隆「山にのぼる河童」にも関連の記述がある。
- 地域
- 熊本県八代市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ