あさひまちのやまのかみのおうらいとさいじつきんき
朝日町の山の神の往来と祭日禁忌
- どんな話か
- 朝日町の山の神は春秋に山と天を往来し、祭日の禁忌や田の神との交代、娘への言い残しなど伝承が豊富にある。
- 細部
朝日町に伝わる山の神信仰にまつわる話。山の神を祭る日は、旧暦で言う3月12日、および年越しにあたる12月12日である。春先には天から降りて田畑を見守り、秋が来ると山へ戻っていくとされている。山の神の祭りにあたる3月17日は仕事を休むしきたりで、その日に山へ立ち入り山の神と対面してしまうと、その年は何一つ良いことが起こらないとされる。長沼では2月17日から10月17日までの期間を山の神の日と呼び、山へ足を運ぶことが禁じられ、木を扱う職人たちは仕事を休んで祝いの日とする。
この間、山の神は蚕を司るオシラ神へと姿を変えているのだという。旧暦10月17日になると山の神が木の本数を検分する日にあたるとして、この日は伐採を控える習わしがあった。季節が巡って10月13日を迎えると山と田、両方の神が役目を入れ替えるといい、12個のボタ餅を作って神棚に供える。半年後の3月12日には逆の交代が起こるとされ、この日は田をかき均す作業や種まきをしてはいけないと戒められている。
佐藤弥蔵家では山の神様を3月12日と12月12日に祭るとしており、春先に空から降りてきて秋には再び空へ帰っていくと伝えている。加えて、山の神は女性の神で三人の娘があったという。この神が亡くなる間際、娘たちに対して、味噌汁にあたるおずけをかけた飯だけは決して食べさせるなと言い残し、その理由をすぐにまた腹が空いてしまうからと語ったとされる。この言い伝えにより、山へ入るときにはおずけをかけた飯を口にすると怪我を負うといわれるようになった。それでも汁とともに食べたいときは、飯のほうを汁椀に移し入れてから口にすればよいとされている。
- 広まり方
- 1982年の『民俗採訪』に掲載された国学院大学民俗学研究会「山形県西村山郡朝日町旧西五百川村」に記録がある。
- 地域
- 山形県朝日町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ