やまのばあさん
山の婆さん
国内
未確認生物
- どんな話か
- 夜半に病人の枕元をのぞき、後には巫女の口を借りて恩を問うたという用の山の神。
- 細部
用の山の奥にある祠は、もともと婆さんだけを祀るオムロだった。昭和十年ごろから金時さんの名で爺さんの側も祀るようになり、両者のオムロを隔てる岩の壁に開いた小さな穴を通して二人は語り合うのだという。明治二十四年生まれの栄野カ子ヨは三十八歳で病み、夜中に目を覚ますと大きな顔にしわを寄せた婆さんが室内をのぞいていた。こちらへ出よと言われたので拝んで中へ招くと、差し入れられた手から何かを受け取り、見直すと姿は消えていた。
数年後、大清水に参って朝食をとっていると、向かいの巫女が突然神がかり、自分は山のばあだ、助けた恩を忘れたかと告げた。以来カ子ヨはこの神を信仰する。山の婆さんが何かをさせようとするときは胸にすがりつかれるように苦しくなり、坂本の拝み手に言われたとおり詣でると声も出るようになったという。
- 広まり方
- 1986年の『民俗採訪』所収、国学院大学民俗学研究会による愛媛県喜多郡河辺村の報告に記録がある。
- 地域
- 愛媛県大洲市
- 年代
- 昭和
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ