ほくとのおくりおおかみのやまいぬ
北杜の送り狼の山犬
国内
未確認生物
- どんな話か
- 樹上に逃げた人にオモリの死骸を運んできたり、送り狼として道案内したりする北杜市の山犬の話。
- 細部
北杜市には山犬にまつわる話がいくつも伝わる。ある人が山で山犬に出くわして木の上に逃げていると、その山犬はオモリと呼ばれる女性行者の亡骸を運んできたが、その人が思わず咳をすると驚いて亡骸を背負い直しどこかへ去っていったという。日向へ向かう峠には山犬が出るとされ、そこを通った際に子ども二人を連れた母親が山犬にかまれ、三人とも命を落としたと伝わる。一方で、山犬にはおくり犬として道案内をする一面もあるという。
竹宇の集落では、家路をつける人の後ろを山犬がついてくることがよくあり、家の近くまで来たところで「ご苦労さん」と声をかけて戸を閉めると、山犬はおとなしく帰っていったといい、これは送り狼と呼ばれた。藪の湯の奥にある深い穴は山犬の巣とされ、夏でも氷や雪が残っていたという。山犬は仲間の寄り合いがあるときに里まで下りてきて、食べ物を与えれば満足して帰っていったが、山仕事の最中に転んでしまうと山犬に食いつかれるといわれ、人々は転ばないよう気をつけていたと語られている。
- 広まり方
- 1943年の『民間伝承』に笹村草家人が記した「甲州清里村覚書」、1973年の『伝承文化』所収「山梨県北巨摩郡須玉町増富日向・日影調査報告」、1978年刊行の『白州の民俗』(東洋大学民俗研究会)、1996年刊行の『柳沢の民俗』(東京女子大学史学科民俗調査団)と、複数の報告にまたがって記録されている。
- 地域
- 山梨県北杜市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ