やくしにょらい
薬師如来
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 穴のあいた石に水引や糸を通して供えると耳の聞こえが良くなるとされ、成就院の薬師堂に祈願すれば耳の遠い人が必ず快復すると伝わる。
- 細部
- 耳の聞こえに悩む人々の間では、中央に穴を開けた石へ水引を通し、それを供物として奉納するという独特の作法が伝えられていた。この作法を行うと、不自由だった耳が次第に聞こえを取り戻すとされていたのである。同じ効き目は、成就院の薬師堂へ祈願をこめる場合にも認められており、長らく耳が遠かった人であっても快復に至ると信じられていた。ただし願いが叶った者には決まりごとがあり、感謝の印として、今度は自分で穴あきの石に糸を通したものを新たに堂へ納めなければならなかったという。石に穴を通すという一連の所作そのものが、聞こえを取り戻す呪術的な媒介として位置づけられていたことになる。
- 広まり方
- 1939年の『旅と伝説』所収、田中勝雄「仏寺に縁りある伝説と俗信―丹波国船井郡に於ける―」に記録がある。
- 地域
- 京都府南丹市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ