あいなんのひしゃくをもとめるうみぼうず
愛南の柄杓を求める海坊主
国内
未確認生物
- どんな話か
- 帆柱の滑車を欠いた船で現れ、柄杓を借りて船を沈めるとされた海の怪。
- 細部
- 海坊主の操る船は帆柱にセミと呼ばれる滑車が付いていないので、見ればすぐに見分けがつくという。速さで敵うはずがないため、決して漕ぎ比べをしてはならないとされた。出産の穢れである赤火、死の穢れである黒火を負った者が乗り合わせていると、必ず憑かれてしまう。そうしたときは金毘羅を念じるか、鰯をいぶすか、マッチの火を投げつければ退散するといわれた。沖では水を飲みたいから柄杓を貸せと求めてくることもあり、応じれば船に水を注ぎ込まれて沈められる。逃げようと櫓を漕いでも水が入り、遭遇した時点でもう助からないとも語られている。
- 広まり方
- 1985年の『伊予の民俗』所収、佐々木正興「伊予の妖怪変化」、1983年の『愛媛県史』の同著者による記述、および1991年の『常民』所収、中央大学民俗研究会による愛媛県南宇和郡城辺町の調査報告書に記録がある。
- 地域
- 愛媛県愛南町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ