とんちぼ
トンチボ
国内
未確認生物
- どんな話か
- トンチボはムジナの佐渡での呼び名で、夜道で人を化かし、憑くと目がくらんで獣じみた振る舞いに変わるという。
- 細部
トンチボは佐渡でムジナを指す呼び名で、夜更けに木の葉を散らしたり木を倒したりする音を立て、人の声をまねて短く「おィ」と叫ぶこともあるという。栗拾いに出た男が薄暗がりで人影のようなものを見かけ、近づくと消えてしまう体験も伝わっており、こうして人をだます者をトンチボのようだと言い表す。器量よしの女に見せかけて近づいてきたり、逆に火をあおって突風に見せかけたりし、数匹いても足跡は一匹分しか残さないともいう。
酒に酔っていると特にだまされやすく、水たまりに入れられたり、家族や迎えの者になりすまして声をかけられたりする。憑かれた者は目がくらんだようになり、獣のように際限なく食べたがる一方で、箸や風呂を嫌うようになるという。アリガタヤにトイギキしてもらうと、魚や酒、揚げ物などトンチボの好物を求めてくることもあったと伝えられている。ヨモギネコに姿を変えることもあり、これを見かけるとだまされる前触れとされる。また、ヤマノカミやジュウニサンサイノカミといった呼び名も含めて数多くの名を持ち、牛神や龍神とも同一視されるなど、信仰の上で複雑に習合してきた存在として伝えられている。
- 広まり方
- 1975年の『季刊民話』所収「外海府物語その1」、および1995年の『民族学研究』所収、梅屋潔の論考に記録がある。
- 地域
- 新潟県佐渡市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ