たかやましのてんぐによるかみかくし
高山市の天狗による神隠し
国内
未確認生物
- どんな話か
- 老杉の根元で下駄履きの下半身を見た話や、子供を連れ去っては笛太鼓で返す話、放牧牛をさらう話など天狗にまつわる逸話が数多く伝わる。
- 細部
高山市には天狗にまつわる話が数多く残っている。山道の老杉の根元で休んでいた者が、頭上に気配を感じて見上げると、五、六間も上の枝に高さ一尺ほどの一枚歯の下駄を履いた下半身だけが見え、恐ろしさにひれ伏したまま一刻あまり何かに押さえつけられて動けなかったという。放牧していた牛が本来行けるはずのない絶壁や断崖に現れることがあるのも、天狗が牛をさらって人の手の届かない場所に置いていくためだとされる。
天狗は、夕暮れに下ろした履物の持ち主をさらうと言い伝えられていたが、それを意に介さず履物を下ろしてしまった者は、門口に現れた男についていくと一時間ほどで帰されたにもかかわらず、村では五日間も行方不明として扱われていたという不思議な話もある。天狗は子供を好み、山に遊びに来た子供をだまして一緒に連れ去って遊ぶが、村の衆が笛太鼓を鳴らして迎えに行くと返してくれるという。
昭和30年頃には、ある家の火事の際に子供が「赤い着物を着た鼻の高い人が火を焚けと言った」と証言し、これが天狗の仕業だろうと噂されたこともあった。大原騒動で活躍した原の太郎助という人物は、あかさか峠で牛が急に動かなくなったとき天狗の姿を見つけ、動じずに通り過ぎると牛も動き出し、その後山の神から人並み外れた力を授かったとも伝わる。ほかに、二匹の天狗、あるいは天邪鬼と天女が双六盤を投げ捨てたことで奇岩が生まれたという話も語られている。
- 広まり方
- 1936年の『ひだびと』掲載、代情山彦「天狗と山神の狗賓」ほか、1958年・1983年の複数記録にまとめられている。
- 地域
- 岐阜県高山市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ