てんぐ
天狗
国内
未確認生物
- どんな話か
- 日光山の霊威を示す8つの天狗にまつわる話。大杉の梢に現れた姿や、稚児が消えた弥生祭の逸話などが伝わる。
- 細部
- 役小角と雲遍上人が修行の途中、日光山の清瀧にさしかかると滝に黒雲がかかり激しい雷と嵐に見舞われたが、一心に密呪を唱えると天が晴れ、大杉の梢に天狗の姿が現れて消えたという。日光の天狗は女貌山でしばしば酒宴を開き、置き忘れた銚子を行者や里人が後難を恐れて持ち帰らなかったともいう。格の低い天狗たちは大きな木を切り倒して遊んでいたが、明くる朝になるとその跡形はどこにも残っていなかったとされる。二荒山神社の弥生祭では、行列が進む最中に黒雲が降りて稚児が姿を消してしまい、それ以来稚児の参列は取りやめになったという。水野出羽守という人物は、天狗に立ち退きを命じる制札を立てたと伝わる。神社の祭礼では天狗の面をつけた者が猿田彦の面をつけた者に先導されて行列を組んで歩くが、この行列は決して見下ろしてはならないとされる。日光山四十八滝のうち裏見滝には不動明王がおり、不浄の者がここを訪れると天狗に命を奪われるともいう。東照宮の150回忌が営まれた際には諸国から天台僧が集まり、三本杉の見事さを誉め合っていたところ、もっとよい杉を知っていると口にした僧に天狗が怒って別の僧に取り憑いて問答を挑んだが、負けてしまったのだという。
- 広まり方
- 多くは1937年の『旅と伝説』所収、藤井萬喜太「日光綺談(六)」に、他は1967年の『下野民俗』所収、下野民俗研究会湯西川部落祭礼調査団の報告、1975年刊『日本随筆大成第2期』所収、菊岡沾凉『諸国里人談』、1976年刊『日本随筆大成第1期』所収、秦鼎著・牧墨僊編『一宵話』にそれぞれ記録されている。
- 地域
- 栃木県日光市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ