てんぐ
天狗
国内
未確認生物
- どんな話か
- 鞍馬山や愛宕山を中心に伝わる天狗の話を束ねた項目で、山中での怪異や神隠し、禁忌の木にまつわる祟りなど多様な言い伝えを含む。
- 細部
- 京都市内、とりわけ鞍馬山や愛宕山を中心に、天狗にまつわる話が数多く伝わる。鞍馬山には大僧正と呼ばれる天狗が棲み天狗杉で羽を休めるといい、愛宕山には、恋煩いの末に死んで天狗になったとも、帝の病を治せなかった無念から天狗になったとも語られる太郎坊がいる。音羽山や下鴨神社前の舟岡山では、年に一度天狗が集まって夜通し遊び興じ、時おり近くの家へ火をもらいに来るとされ、火を貸した礼に自筆の「火用心」の額を残していったという話もある。人に害をなす話も多く、清水寺の滝の荒行を見物しようとした男が空高く放り投げられて元の場所に戻されたり、山中で道をふさぐ石灯籠を殴った男が山の上まで運ばれて気を失っていたりしたという。子供が夕暮れに姿を消し一晩じゅう村人が探し回った末に無事戻ってくる話も複数記録されており、いなくなった子供は帰ってきた後「天狗の~」とあだ名で呼ばれるようになったという。天狗が羽を休める神木を伐ろうとした植木職人や、休憩所とされた杉と松を切った樵が、その後まもなく体を悪くしたり命を落としたりしたという祟りの話も繰り返し語られる。一方で、子供の迷子は天狗のしわざとされながらも実は年経た狐の仕業ではないかと冷静に注記する随筆もあり、当時から半信半疑で語られていたこともうかがえる。京都市内だけでこうした天狗の話が二十一件記録されている。
- 広まり方
- 郷土趣味1918年から1919年にかけての竹内不死鳥「天狗の話」連作をはじめ、近畿民俗1951年掲載の林宏の記録、伝承文芸1973年掲載の国学院大学民俗文学研究会の調査など、複数の文献にわたって伝えられている。
- 地域
- 京都府京都市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ