はくさんしのひをけすてんぐ
白山市の火を消す天狗
国内
未確認生物
- どんな話か
- 白山市各地に伝わる天狗にまつわる伝承群で、人さらいや火の怪、山の守護、棟上げの魔除けなど多岐にわたる。
- 細部
白山市域では天狗にまつわる話が数多く伝わる。天狗にさらわれて弟子となり三十三年後に村へ戻った男がいて、修行の力で畑の周りに指で線を引くと火が燃え広がらずに消えたといい、また逆に飛騨高山の町を焼き払う役目を天狗に命じられたとも語られる。子供の火遊びに天狗が付け火をすると消しようがなく、思わぬ方向へ飛び火するのは天狗が火を運んで歩くためとされた。太鼓壁や朝鮮壁と呼ばれる断崖は天狗の棲み処とされ、そこでは太鼓を打つ音が聞こえたり、子供が言葉をかけられてからかわれたりしたという。
天狗は子供をさらう存在でもあり、さらわれた子が戻りかけても、家族が嫌う餅を蒸す匂いを立てる前に鳶の使いが来て連れ去ってしまう。山中で女性が原因不明の深手を負ったり命を落としたりすると天狗の剣にかかったのだと噂され、岩山や老樹など天狗の住処を荒らした者も同様の災厄を受けるという。一方で山仕事の無事を見守ってくれる存在でもあり、焼畑の火入れの際に供えた餅を食べれば山火事を免れ、棟上げの折には塩サバや尺棹を逆さに下げて天狗除けとする習わしも残る。隠れ蓑と隠れ笠で姿を隠し神通力で自在に化けるとされ、同じ場所を巡り続けて出られなくなる現象も天狗の仕業とされた。
- 広まり方
- 『昔話伝説研究』1972年掲載の小倉学「加賀・能登の天狗伝説考」を中心に、『加能民俗研究』1986年の橘礼吉「白山麓の焼畑地域におけるハレの日の雑穀料理と雑穀米」、『民俗採訪』1978年の国学院大学民俗学研究会による石川郡河内村調査にも記録がある。
- 地域
- 石川県白山市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ