えちぜんしのてんぐにすかれたおとこ
越前市の天狗に好かれた男
国内
未確認生物
- どんな話か
- 天狗に好かれ山から戻らなかった男の話や、変わった木を天狗の休み場とする言い伝え、花摘みに出て遭難した女性の話が伝わる。
- 細部
越前市には天狗にまつわる話がいくつも伝わっている。大滝町のある男は、薪を拾いに山へ入ったまま数日間戻らないことがしばしばあった。家族が探しに出て連れ帰りを頼むと、そのたびに男は戻ってきたという。天狗に気に入られていたと語られるこの男には年に何度かこうしたことが起こり、帰ってくるたびに自分が連れて行かれた先の様子を細かく語って聞かせたそうである。また、天狗は山の神であるともいわれ、他の木とは様子の異なる特徴的な木は、その天狗が休息をとる場所にあたるとされている。
1910年ごろのこととして語られる話もある。シキブという赤い花を求めて山へ入ったお婆さんが、そのまま帰らなくなってしまった。村中で3日にわたって捜索にあたったが手がかりはなく、やがて木の股に挟まる形で亡くなっているのが発見された。天狗の機嫌を損ねたために欺かれ、そのまま山中へ連れ去られてしまったのだろうと村では噂し合った。その現場となった木は、今ではもう残っていないという。
- 広まり方
- 1937年の『南越民俗』所収「狐狸妖異談」、および1971年の『民俗採訪』所収、國學院大學民俗学研究会「福井県武生市坂口村」の調査報告に記録がある。
- 地域
- 福井県越前市
- 年代
- 明治時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ