こがねのちゃがまのたぬき
黄金の茶釜の狸
国内
未確認生物
- どんな話か
- 若桜町の狸は、恩返しに黄金の茶釜へ化ける昔話と、木挽き小屋を襲う恐ろしい怪異の両方で語られる。
- 細部
若桜町に伝わる狸の話には性質の異なる二つがある。一つは、いたずらばかりする狸が村人に捕らえられ殺されかけたところをある老人が助けてやると、狸は恩を返すために黄金の茶釜に姿を変え、老人はそれを売って裕福になったという恩返し譚である。もう一つは恐ろしい話で、吉川の奥山に木挽きたちが小屋を建てて泊まり込んでいたところ、夜ごと小屋の屋根越しに女が中をうかがうようになった。
よそから来ていた木挽きの一人が怪しんで斧を手に寝ずの番をしていると、女は小屋に入り込んで一人ずつ顔を確かめ始め、最後にその木挽きが斧で斬りつけると悲鳴を上げて逃げ去った。翌朝、他の仲間は皆すでに舌を抜かれて息絶えており、村人総出で血の跡をたどるとエナミ谷の岩穴に行き着いた。穴をいぶり出してみると、白くなった毛の狸が出てきて、これが仲間を殺していた正体だったという。
- 広まり方
- 1971年の『伝承文学研究』所収、三原幸久「鳥取県若桜の昔話(上)」、1973年の『因幡若桜の民俗―鳥取県八頭郡若桜町栃原・中原・加地―』所収、東京女子大学史学科民俗調査団「八 口承文芸」に記録がある。
- 地域
- 鳥取県若桜町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ