なぎそのばつぼくおんをまねるたぬき
南木曽の伐木音をまねる狸
国内
未確認生物
- どんな話か
- 伐木の音を巧みに真似て山仕事の人を惑わせたと語られる、木曽の谷のたぬき。
- 細部
- 岩の間に棲むたぬきは人を化かすのが得意で、なかでも木を伐る音を出すのがうまく、締めくくりに幹の転げ落ちる響きまで加えたという。柴刈りの最中にそれを聞いた者が急な寒気に襲われて山を下り、下で尋ねても誰一人音を知らなかった。坂の下では、遠くで伐って倒れる音がした後に頬をなまぬるい風が撫でていくが、そのとき実は足元にたぬきがいて尾を打ちつけているのだと説明された。油を好み、夜遅くまで戻らなかった嫁の髪から鬢付け油をなめ取ったという話もある。猟師が撃ち取ってからは怪異が絶えたといい、森林鉄道の発動機が勝手に鳴り出した一件も、山仕事の音が止む怪も同じたぬきの仕業とされた。
- 広まり方
- 1990年刊『長野県史 民俗編 中信地方 ことばと伝承』第12編口頭伝承の世間話、たぬきの話の各項に六件として載る。
- 地域
- 長野県南木曽町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ