たぬき
狸
国内
未確認生物
- どんな話か
- 京都では柳や床下に棲む狸が歯痛平癒の願掛けや化かし、家鳴りの怪異、時に火伏せの神として祀られるなど幅広い話が伝わる。
- 細部
- 京都には狸にまつわる話が数多く伝わっている。京都府庁前の柳の木や加茂川沿い、御苑の中など、あちこちに狸が棲みついているとされ、なかでも府庁前の柳には歯痛を治してほしいと願を掛ける風習があった。夜道で橋が消えたように見えたり、屋敷の便所と床の間を間違えさせられたり、深夜に木を伐る音だけが響いたりと、人を化かす類の話も豊富で、化かされて道に迷った末に一晩明かして無事に戻れた例や、材木の代金を取りに行った先の家がどうしても見つからなかった例もある。狸が取り憑くこともあるとされたが、憑いても命に関わることは少なく、地蔵の数珠に触れさせれば落ちるとも言われた。家が毎晩揺れる怪異を狂歌一首で鎮めたという話や、大正4年の大火のあと、狸の祟りだから稲荷として祀れという神官の託宣を受けて社を建て、以来火伏せの神として今も参詣を集めているという話も残る。
- 広まり方
- 『郷土趣味』(1919〜1922年)掲載の土俗集や山口早風「京都 洛東 鹿ケ谷雑話」、『日本民俗学』1981年掲載の岩田英彬「狸―小神としての存在―」、『近畿民俗』1992年掲載の大森恵子「火の神稲荷の信仰諸相と形成過程」など複数の記録に基づく。
- 地域
- 京都府京都市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ