たぬき
狸
国内
未確認生物
- どんな話か
- 夜の山で木が倒れる幻音を聞かせるなど、綾川町の狸は化けるのが巧みで、牛のカライ縄で輪を作れば正体を見破れるという。
- 細部
- 夜中に山道を通っていると、コーンコーンという音に続いてドドドーッと大木が倒れるような音が聞こえることがあるが、確かめに行っても何も見当たらず、狸の仕業だとされている。タヌキノシシマイと呼ばれる化けものは人に頼まれて演じることもあり、昼間に姿は見えないまま鉦や太鼓の音だけがはっきりと聞こえるという。夜、山の裾のあたりで火が焚かれているのが見え、近寄ってみると何もなく、今度は全く違う方向にまた火が見える、これはタヌキノヒと呼ばれる狸の火である。ある家の裏の柿の木では、狸が提灯のようなものを時折振っているのが見られ、また別の家では、家人の留守中に狸が家中に提灯をともして歩き回るため、盗人でさえ恐れて近寄らなかったという。夜、川の堤に提灯がずらりと並び、掛け声だけが聞こえてくることもあり、これは狸の嫁入りと呼ばれ、姿は見えず声だけがする。花嫁の姿をした狸が出たと伝わる土地はヨメンザコと呼ばれている。狸に化かされてしまったときは、牛のカライ縄で輪をこしらえてそこから覗く、あるいは牛の股のあいだから覗けば、正体を見破ることができるとも言い伝えられている。
- 広まり方
- 『四国民俗』1981年掲載の「香川県綾上町妖怪名彙」と、『香川の民俗』1988年掲載の「牛の話(綾上町聞書から)」に、いずれも水野一典の記録としてまとめられている。
- 地域
- 香川県綾川町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ