すおうおおしまのおおだことじんべいいわ
周防大島の大蛸と甚平岩
国内
未確認生物
- どんな話か
- 魚捕りの名人甚平が大蛸の足を毎日切り取って食べていたが、欲を出して縄で捕えようとして命を落としたという。
- 細部
漁の腕がよいことで知られた甚平という漁師が、ある日、岩場で釣りをしていると突然船が傾き、大蛸の太い足が船縁をつかんでいるのに気づいた。驚いた甚平がその足を包丁で切り落として持ち帰ると存外に美味く、味を占めて翌日も同じ岩へ通うようになる。日を追うごとに蛸の足は一本ずつ減っていき、八本あった足が三本になったところで、甚平はとうとうこの蛸を丸ごと捕らえようと、包丁ではなく縄を携えて出かけたが、そのまま戻らなかった。
夕暮れに主のいない小舟だけが浦に流れ着き、村人たちは蛸の仕返しに違いないと噂しあった。この出来事から、その岩は後に甚平岩と呼ばれるようになったと伝わる。もうひとつ伝わる話では、正直者だった甚平のために神様が蛸の足を一本ずつ切らせてやっていたが、甚平が欲を出したことに気づいた神様は立腹し、蛸を使って甚平の命を奪わせたのだとも語られている。
- 広まり方
- 『山口県史資料編民俗1民俗誌再考』2002年収録、宮本常一「島と海の民俗:周防大島(一)」に記録されている。
- 地域
- 山口県周防大島町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ