すぎのせいれい
杉の精霊
国内
未確認生物
- どんな話か
- 千年を超える古杉を切ろうとした村人が異変に見舞われ、伐採をやめて祭りを続けるようになった話。
- 細部
西光寺には牛をも隠すほどの大きな杉が三本そびえていた。文化2年頃、寺の坊さんがこの木を切らせることに決めたが、その前日の夕暮れ時、見慣れない三人の童が手を取り合い泣きながら走り去るのを見た者があった。また、この木の下に宿をとった乞食夫婦が夜中に冷たい風で目を覚ますと、裃を着けた立派な若者が左右に美しい女性を連れて寂しげに立っていたが、何を尋ねても答えず、恐ろしくなって着物をかぶって突っ伏し、しばらくして顔を上げると姿は消えていたという。
夜が明けてこの話を聞いた村一番の早起きは、千年を超える古木ゆえに杉の精霊が悲しんでいるのだろうと考え、村人たちと金を出し合ってこの木を買い取り、伐採を中止させた。すでに斧を入れていた樵の話では、老木を切ると必ず水が出るものだが、この木は一度斧を入れただけで水が2メートルも噴き出し、気を失ってしまったという。さらに伐採に賛同した6人も次々に亡くなったといい、切られたのが4月4日であったことから、以来毎年4月4日に祭りを行っている。
- 広まり方
- 1967年刊行『福島県史 24 民俗2』、和田文夫による樹木に関する伝説の項に載る。
- 地域
- 福島県福島市
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ