しりょうのたたり
死霊の祟り
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 先祖に殺された山伏の霊が娘たちに次々憑いて祟り、位官相応の葬儀を求めたが叶わず一家は離散したという話。
- 細部
仙台本柳町のある束巻師の家には三人の娘がいたが、上の二人が相次いで同じような死に方をした。通夜の晩に呻き声が聞こえて覗いてみると、娘の死に顔が赤黒い鬼のような形相に変わって睨みつけていたという。その正体は、七代前の先祖に殺された山伏の霊で、公金を運ぶ旅の道連れとなったところをその先祖に殺されて大金を奪われたのだと語った。先祖はその金を元手に分限者となったものの、少しも供養をしなかったため、代々家運が盛んで祟ることができずにいたが、ついに恨みを晴らす時が来たのだという。
証拠として箪笥の奥に自分を刺した刀があると告げたうえで、残る娘の命を助けたければ、自分が生前望んでいた身分相応の盛大な葬儀を出すよう求めた。夫婦が承知すると娘の形相はもとに戻ったが、いざそれほどの葬儀を用意することはできず、末娘にも山伏の霊が取り憑いてこのままでは駄目だと告げてきた。今度こそ約束通りの葬儀を行ったものの、末娘は数日のうちに衰弱して亡くなってしまう。
奉公人も婿養子も恐れをなして離れていき、家は荒れ果てて夫婦の行方も分からなくなったという。この話は、只野真葛が奉公人の実家で聞いたもので、当時死霊に取り憑かれた娘が泣き狂う声が近所にまで聞こえていたと書き添えている。
- 広まり方
- 出典は『宮城縣史 民俗3』(1956年)の妖怪変化・幽霊「事例篇」。
- 地域
- 宮城県仙台市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ