しろきつねおきく
白狐お菊
国内
未確認生物
- どんな話か
- 宮殿寺裏に棲んだ白狐一家を炊事婆お菊がひそかに養い、飢饉の年の恩を子狐たちが化け姿で返した話。
- 細部
宮殿寺の背後の林には、かつて白狐の親子が棲んでいたのだという。ある凶作の年、七匹もの子を産んだばかりの白狐の夫婦は、餌を求めて狂ったように動き回っていた。これに気づいた宮殿寺の炊事番であったお菊という婆さんは、朝晩の食事の残り物や屑菜を毎日こっそり与えてやるようになったが、不思議なことに白狐たちの姿はお菊にしか見えなかったのだという。食べ物に困り果てた白狐は、あるとき僧の姿に化けて法事に紛れ込んだものの、連れていた犬に正体を見顕されてしまい、母狐は大怪我を負って寝込んでしまう。
それからは子狐たちが村人の姿に化けて食べ物をだまし取り、傷ついた母を養い続けたのだという。村人たちはそれぞれの化け姿にちなんで、子狐たちをお菊狐、ねんねこ狐、喜八郎狐と呼びならわした。渡波で大火があったのをさかいに、この白狐たちの消息は途絶えてしまったが、年配の人々の間では今もこの話が語り継がれている。
- 広まり方
- 1956年刊『宮城縣史 民俗3』の妖怪変化・幽霊の事例篇に、由来の異なる三話がまとめて記録されている。
- 地域
- 宮城県石巻市
- 年代
- 明治時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ