せとうちのかいそうをうったえるしりょう
瀬戸内の改葬を訴える死霊
国内
未確認生物
- どんな話か
- 夫の死霊が妻の口を借りて子を連れて行かないよう語り合わせたり、改葬を怠られた母の死霊がユタを通して寒さを訴えたりと、死霊が生者に語りかける話が伝わる。
- 細部
夫を亡くしたあと、三歳の子を育てながらひとりで日々を送っていた妻が、あるとき高熱に見舞われた。すると死んだはずの夫が彼女の口を通して語り出し、親戚を呼び集めさせたという。集まった一同の前で、妻はまるで夫とふたりで言葉を交わすかのように、この子を連れていかないでほしいとひとりで語り続けたと伝えられている。別の話では、埋め方によって遺体の朽ち方に差があるとされ、砂地であれば三、四年ほどで洗骨のための改葬ができるのに対し、赤土の場合はなかなか白骨化が進まず、改葬に踏み切れないままになることがあった。
すると亡くなった母親が、早く改葬してくれないと水に浸かって寒くてたまらないと、ユタを通して訴えてきたという。さらに別の話では、死んだ母のマブリ(死霊)が息子を案じて現れ、炊事をしてくれるかのように米をとぐ音が聞こえたこともあった。これは母の死後にマブリワハシという脱魂祓霊の巫儀を行っていなかったためだとされている。
- 広まり方
- 1976年の『季刊民話』(田畑英勝)と1981年の『南島研究』所収、登山修「奄美大島瀬戸内町の民間信仰」に記録がある。
- 地域
- 鹿児島県瀬戸内町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ