しおがひらく
潮が開く
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 早鞆明神の神事で社人が灯りを消して海に入ると潮が開き、わかめを一鎌だけ刈って戻るという。
- 細部
- 門司関にある早鞆明神の社前は海に面し、そこから海中へ下る石の階段が設けられている。毎年12月の大晦日、夜も更けて丑の刻に入るころ、社人が宝剣を胸に当てて石段を下り海へ入っていくと、それまで両側に分かれていた潮がぴたりと動きを止め、道のように開く。社人は海底に生えたわかめを一度だけ刈って引き返すが、欲を出して二度目を刈れば潮に引き込まれて溺れるとされる。神事の間は境内や船の灯りをすべて消して行われる決まりで、通常はこの時間帯、半時ほど大きな波で海が乱れているにもかかわらず、神事が始まると波は不思議と静まり、終わるとまた元のように荒れ出すという。別の記録では、元日の丑の刻に潮が開き、社人が海中の階段に立ってわかめを一鎌刈って上がってくると、たちまち潮が満ちて元に戻るとも伝えられている。
- 広まり方
- 1977年刊行の『日本随筆大成第三期』に収められた含弘堂偶斎の『百草露』と、同書に収められた天野信景の『塩尻』の両方に記録がある。
- 地域
- 福岡県北九州市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ