おとらぎつね
おとら狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- 長篠の合戦で目と足を傷つけられたという伝説を持つ憑き物の狐で、取り憑かれると独特の症状が出るとされる。
- 細部
- おとら狐は、長篠の合戦の折に流れ弾で左目を、犀川で昼寝をしていたところを狙撃されて左足をそれぞれ傷つけられたと伝わる狐で、これに取り憑かれた者は左目から目脂を出し、左足に痛みを訴えるといった特徴的な症状を示すとされる。取り憑かれ方も一様ではなく、歯のない老人が生魚を頭からばりばりと食べてしまったり、山へ薪採りに出た孫娘についてきた狐がそのまま祖母に乗り移ったりしたと語られる。憑いたときにはまず陰陽師や修験者を招いて祈祷するのが常だが、それでも離れない場合は秋葉山の奥に祀られる山犬の神、山住様を迎えると離れるという。ある婆さんに憑いた際には、毎夜牡犬が近づいてくると怯えさせ、亡くなる前日には一年以上寝たきりだったにもかかわらず一晩中踊り明かしたと伝わる。若者に憑いた例では二年ほどで正気に戻り、後に伊勢で船頭になったという後日談も残る。手術後の療養中に憑かれて排泄物に異物が混じるようになった末に亡くなった例や、鶏を襲い損ねて悔しがる声を聞いたという話まで、多様な言い伝えが積み重なっている。
- 広まり方
- 出典は『郷土研究』1916年掲載、早川孝太郎「おとら狐の話」。
- 地域
- 愛知県新城市
- 年代
- 戦国時代(起源伝承)
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ