おしどり
鴛
国内
未確認生物
- どんな話か
- 殺された雄の鴛鴦を悼む雌が男の夢に現れて恨み言を述べ、これを見た男が発心して出家したという話。
- 細部
- 下野国の安蘇沼で鷹を使い殺生を好む男が、ある時雄の鴛鴦を捕らえて持ち帰った。その夜の夢に品のよい女が現れ、恨めしげに泣きながら「なぜ私の夫を殺したのか」と訴える。覚えがないと答えても、女は「確かに今日捕らえられた」と言い張り、歌を詠んで飛び去るのを見ると鴛鴦の雌であった。翌朝見ると、前日の雄と嘴を合わせるようにして雌が死んでおり、男はこれを見て世の無常を悟り出家したという。別の伝えでは、相生町の鴛鴦塚は嘉禄年間に太田二郎という狩人が同様に雄を射て持ち帰った顛末を弔うために建てたとし、犬伏町の伝えでは弓の達人・太田二郎左エ門尉式宣が三毳山での不猟の帰りに鴛鴦を射たことに由来するとする。いずれも殺された雄を悼む雌の霊異が猟師を仏門へ導く筋立てで語られている。
- 広まり方
- 2002年の『伝承文学研究』所収、上野陽子「『沙石集』と在地伝承」にまとめて記録されている。
- 地域
- 栃木県佐野市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ