おに
鬼
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 養父郡吉井部落には、鬼が暮れに人を取りに来るという伝承を背景に、年越しの挨拶や骨正月など様々な正月行事が伝わっている。
- 細部
養父郡吉井部落には、年の暮れになると鬼が人を連れ去りに来るという言い伝えがあり、これを軸にした正月行事が数多く残っている。暮れには年長者が年少者の家々を回り、鬼に連れて行かれずに年を越せるかを気遣う挨拶を交わし、無事だったことへの礼が返される。正月15日にはトンドの火で温めた年桶の餅と米で赤い餅菓子を作るが、これは昔、鬼が血や筋を肉とともに煮て食べたという話を真似たものとされる。
7日には唐土の鬼と日本の鬼が行き来したとされ、7種の具を入れた料理を食べる。20日は骨正月と呼び、正月に買ったブリの骨を食べるが、これは20日になると鬼の手元に肉が尽きて骨しか残らなかったという話にちなむといい、隣の奈良尾や熱田の部落でも死者や人の代わりとして魚の骨を食べる風があるという。正月料理の雑煮を臓腑煮と呼ぶのも、鬼が正月ごとに人を1人ずつ取って食べたことの見立てだと伝わる。また同じ養父郡八鹿町では、大晦日の夜に貧乏神を酢の物や辛い味噌で追い払う習わしも、この鬼にまつわる年越し行事の一環として語られている。
- 広まり方
- 1957年の『民俗』掲載、菅沼晃次郎「犠牲獣の変形としての鬼行事」、および1989年の『民俗文化』掲載、同氏「鬼行事の伝承と復活の思想」に記録されている。
- 地域
- 兵庫県養父市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ