おいぬさま
お犬様
国内
未確認生物
- どんな話か
- 秩父市の三峰神社のお犬様にまつわる話。ご利益を疑って姿を見せる形で御札を借りると本当に現れて恐れをなす例が複数伝わり、御札を役立たずとくさした家では、蔵の金を盗んだ息子が食い殺されたという。
- 細部
秩父市の三峰神社には、泥棒除けの力があるとされるお犬様の御札が伝わっている。かつてある男がこのご利益を疑い、あえてお犬様が実際に姿を現す「オモテ」という形で御札を借りたいと申し出た。すると山道を下る途中、なんとお犬様が先に立って歩いていく姿が見え、怖くなった男は思わず山を引き返し、今度は姿を見せない「カゲ」という借り方で改めて頼み直したという。同じように「正体を見せてくれ」と頼んだ別の男は、鳥居のところに二匹のお犬様が現れたために恐ろしくなって帰れなくなり、詫びを入れてようやく姿を隠してもらった。
また、お犬様の力そのものを疑った者の前にも姿が現れ、恐れをなしてお礼の品を返したという話も伝わる。一方、ある大尽屋では、蔵から金を盗んだのが自分の息子だとは知らず、親が「お犬様は役に立たない」と悪く言ったところ、お犬様はその息子を食い殺し、亡骸を蔵のそばに置いたと語られている。
- 広まり方
- 1957年刊行『西郊民俗』所収、草川隆「恩方村所見」、および1995年刊行『伝承文芸』所収、国学院大学民俗文学研究会「世間話」ほかに記録されている。
- 地域
- 埼玉県秩父市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ