からつしのはなごえおいなりたくせん
唐津市の鼻声お稲荷託宣
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- お稲荷様は漁業や商売の守り神として厚く信仰され、祈祷師や感じやすい人に乗り移って鼻声でお告げをすると伝わる。
- 細部
唐津市鎮西町では、占いを得意とする人物がお稲荷様を篤く信仰していた。お稲荷様は漁の神、商売の神として知られ、特に漁師からの信仰が厚く、1960年頃までは二月の初午に五、六十人ほどが参拝していたという。祈祷師にお稲荷様が乗り移ると、体が三度震えて鼻声になり、お告げを告げる。そのお告げどおりにしたことで大学受験や公務員試験に合格した人も多いと語られる。お稲荷様は祈祷師のほかにも、十七、八歳以上の乗り移りやすい人に憑くことがあり、憑かれた人は鼻声になって聞き慣れない祝詞を唱えたり、字の書けない人が見たこともない文字を書いたりするという。
稲荷を新たに祀るきっかけは、家に不調が続いて法印から勧められる場合が多く、ある家では1935年前後、祖父の弟の家が没落した際、そこに稲荷が祀られていたことを誰も知らなかったが、その家の女性が初午の頃に毎晩稲荷の夢を見て、お告げによって稲荷の存在を知り、改めて祀るようになったと伝えられている。
- 広まり方
- 1968年の『民俗採訪』に掲載された國學院大學民俗学研究会の報告「佐賀県東松浦郡鎮西町打上」に、これらの話が記録されている。
- 地域
- 佐賀県唐津市
- 年代
- 昭和
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ