おはるきつね
おはる狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- 三国町の新保松原に伝わるおはる狐は、人への恩返しや悪戯を通じて数々の逸話を残した化け狐である。
- 細部
この家に伝わるカミソリは、もとは縁の下に棲みついていた狐が旅立つ際、世話になった礼にと置いていったものだとされ、蛇に噛まれた傷に効くと言い伝えられている。もっとも別の説では、大切に扱ってもらった礼に蛇自身が置いていったのだとも語られる。また、おはる狐は人間の女に化けて男のもとへ嫁ぎ、子までもうけたことがあるという。二人の仲は睦まじかったが、うっかり気を緩めた拍子に着物の下へ隠していた尻尾を見られてしまった、あるいは窓から出入りする姿を見とがめられたことから、狐であった正体が露見してしまったと伝えられている。
新保の松原にはこの狐が棲んでおり、たいそうな金持ちだとうわさされていた。村人が法事や祝い事のために椀を借りたいと頼むと、期日までに違わず届けてくれたという。ある夜には難産の家に呼ばれた医者が、大きな屋敷で八人もの子を取り上げたことがあった。翌日、礼を届けにきた相手が狐だと見抜いていた医者は、渡されたものを木の葉だろうと思いつつ家の外に置かせておいたところ、翌朝になるとそこには本物の金貨が山と積まれていたという。
このほかにも、人の頭を丸めて坊主にしてしまうなど、おはる狐は化かし上手として知られていた。狐に化かされまいと用心していたある商人は、目の前の行列を狐の変化だと思い込んで突っ切ろうとしたところ、実はそれが本物の大名行列であったために捕らえられて牢に入れられてしまった。危ういところを一人の僧に助けられ、坊主頭にされたところで我に返ると、いつの間にか元の大通りに立っていたという。
- 広まり方
- 1937年の『南越民俗』所収、杉原丈夫「おはる狐」に記録がある。
- 地域
- 福井県坂井市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ