にんぎょ
人魚
国内
未確認生物
- どんな話か
- 頭に黒髪をたらした人魚の目撃談や、釣り上げた人魚が津波を予言する話が複数伝わり、1771年の明和の大津波と結びつけて語られている。
- 細部
- 石垣には人魚にまつわる話がいくつも伝えられている。ある目撃談では、上半身は女性のよう、下半身は魚のような姿をして黒髪を垂らした人魚が岩の上に座っていたといい、これを見た者は数日のあいだ病人のようになってしまったという。別の話では、白保村を追われた家族が人魚を釣り上げて食べようとしたところ、調理されている肉が口を開いて津波が来ると告げ、その予言どおりに大津波が押し寄せて白保村は壊滅したとされる。また、漁の邪魔をする魔物を釣り上げてみると人魚であり、それは何百年も昔からの家系をすらすらと語ったため、いじめれば天罰が下ると恐れてそのまま海へ放してやったという話もある。さらに広く語られているのは、富崎のある医者の本妻が実は人魚、あるいは人魚が美女に化けた姿であったというもので、その存在に嫉妬した妾が本妻を刺し殺したところ、1771年、明和8年の大津波が起こって村ごと押し流されたと伝えられている。似た筋書きとして、村八分にされた三人が人魚と知らずに釣った魚を食べようとしたところ、肉が津波の到来をささやいたため、恐れて海に返して詫びると、三人の家だけが津波の被害を免れたという話もある。
- 広まり方
- 1929年の『旅と伝説』所収、喜舎場川石「琉球八重山島に於ける人魚の話」、および1978年の『フォクロア』所収、堀田吉雄「南島の人魚譚」「人魚雑考」に記録がある。
- 地域
- 沖縄県石垣市
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ