むけんのかね
むけんの鐘
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 打てば激流さえ変えられるが人を救えば家が滅ぶというむけんの鐘を、伊藤家の主が鳴らし洪水を治めた末に没落した。
- 細部
- 身延町に伝わる話である。昔、富士川が洪水を起こし、田原港の深町あたりまで水が押し寄せてきたとき、むけんの鐘という鐘が鳴り響いたという。この鐘は、急場において祈りながら打ち鳴らせば、荒れ狂う川の流れさえも変えることができるとされていたが、その一方で、この鐘を鳴らして人を救えば、鳴らした者の身が滅びるという恐ろしい代償を伴うものであった。伊藤家の当主はこれを承知のうえで鐘を打ち続け、濁流の勢いを逸らして村を危機から救ったという。果たしてその後、伊藤の宗家は没落してしまい、今では寂しく屋敷の跡だけが残されていると伝えられている。
- 広まり方
- 1961年刊『甲斐路』掲載、竹川義德「甲州の伝説3 富士川」に記録がある。
- 地域
- 山梨県身延町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ