たかやまのはちむじのやまごやかいおん
高山のハチムジの山小屋怪音
国内
未確認生物
- どんな話か
- 腹に「八」の模様を持つ個体はハチムジと呼ばれ、山小屋で怪音を立てたり、はさみを隠したり、夜道で人を迷わせたりするムジナの話が上宝町に伝わる。
- 細部
上宝町のムジナはタヌキのことを指し、腹の毛に「八」の字の模様があるものは特にハチムジと呼び分けられている。山小屋を建てて暮らしていたある夕食後、ガス燈の下で木を伐るような音が聞こえ、不審に思っていると一人が「ムジナだ」と叫んだ。とたんに音もガス燈の明かりも消えてしまい、後で確かめるとタヌキが小屋の壁を引っかいていたのだとわかった。別の冬には、山小屋のそばに置き忘れたはさみを取りに行くと、どこからか泣き声がして、ムジナがはさみを引きずっているのだろうと山の辻まで追いかけたが、結局何もおらず、はさみはもとの場所に置かれたままだったという。
ある老人は神岡で買った正月用の揚げ豆腐をムジナに取られてしまったとも語る。大正時代には、娘のもとへ夜這いに向かった若者が、橋を渡って帰る娘の後をつけていくうち、いつまでも家に着かず、気づけば雪の中を歩き続けていたという出来事もあった。橋を渡りきれば本来は左側に道が続くはずが、いつの間にか右側を歩かされており、若者はひどい凍傷を負ってしまった。これもムジナに化かされたためだとされている。
- 広まり方
- 1972年の『文化人類学研究会会報』および1980年の『民俗採訪』に記録されている。
- 地域
- 岐阜県高山市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ