くりはらのむじなのしたぬき
栗原のムジナの舌抜き
国内
未確認生物
- どんな話か
- 栗駒地方には、女に化けて舌を抜こうとしたり堤で爺さまを死なせたりする話がある一方、人に害を与えず立沢太郎と親しまれた例も伝わる。
- 細部
栗駒地方には、ムジナにまつわる話が数多く残っている。二匹のムジナが肩車をして一人の女に化けていたが、見破られて命を落としたという話や、ふだんは風呂好きのはずの爺さんが急に入るのを嫌がるので、化けているのではと疑われ、無理やり湯につけて蓋をされてしまった話もある。山奥の炭焼小屋に男たちが泊まっていた晩には、身なりの整った若い女が訪ねてきて泊めてほしいと頼み、皆が寝入ったころに若者の口へ手を差し入れて舌を抜こうとしたため、年かさの男に斧で打たれて正体を現したという話も伝わる。
堤で死んでいた爺さまは、前の晩に婆さまへ化けたムジナから風呂が沸いたと誘われ、それを真に受けて堤に身を浸してしまったのだという。山小屋に泊まり込んで仕事をしていると、誰もいないはずなのに鋸で木を挽く音だけが響くという話や、暗闇の中で訪ねてきた婆さまをムジナではないかと疑い、腕を逆さにこすって確かめたという用心深い爺さまの話もある。炭焼小屋から山を下る途中で女と行き会ったきり姿を消した男が、翌日には近くの馬屋で頭に傷を負い足の指をつぶした姿で見つかり、その後3年ものあいだ家に閉じこもって誰とも口をきかず、竹細工をしながら独り身を通したという重い顛末も語られている。
一方、立沢の上流に住んでいたムジナは人を化かしても害を加えないことから立沢太郎と呼ばれて親しまれ、酒に酔った旦那に化けて見せろとせがまれると、波音とともに沖に船を出し、官女に扇の的を立てさせ、武者に矢を射させて命中させるという壮大な幻を見せたという。
- 広まり方
- 1974年の『民俗採訪』宮城県栗原郡花山村の調査報告と、1976年の『季刊民話』所収、小野和子「栗駒の狐話・ムジナ話」を合わせて8例が記録されている。
- 地域
- 宮城県栗原市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ