せとうちのかじをくるわすもーれい
瀬戸内の舵を狂わすモーレイ
国内
未確認生物
- どんな話か
- 海で死んだ者の霊モーレイは指先の灯りで船の舵取りを狂わせるといい、東風の頃の音だけの出没や、口にすると祟るイマジョウという女の霊の話も伝わる。
- 細部
瀬戸内町では、海で亡くなった人の霊をモーレイと呼ぶ。モーレイの指先にはアカリと呼ばれる光が灯り、この光に気を取られると船頭は舵を狂わされ、霊の力に引っ張られてしまうため、それより先に自分の船に灯りをつけておかなければならないとされる。東風が吹いて暖かくなる季節にはヤローとも呼ばれるモーレイがよく出るといい、県道近くで下から上へと音が走ったかと思うと、今度は上のほうから木を下ろすような音が聞こえてくることがあった。
夜中の十二時ごろまでその場に座り込んでいる気配はあったが、姿そのものは見えなかったという。また、イマジョウという言葉は決して口にしてはならないとされる。これは残酷な殺され方をした女の名前で、白い着物姿のモーレイとなって現れるといい、嘉徳にはこの話にゆかりのある道があって、夜遅くそこを通った人が白い着物の女のモーレイに出会い、近づくとその姿は消えたと伝えられている。
- 広まり方
- 1968年の『南島民俗』所収、下野敏見「加計呂麻島の民俗」のほか、1993年・1999年の『南島研究』(盛末吉、酒井卯作「佐和分翁奇聞」)にも記録がある。
- 地域
- 鹿児島県瀬戸内町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ