みずかけきもの
水カケ着物
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 熊谷市の葬送習俗で、亡くなった仏が道中で喉を渇かせないよう、四十九日間は着物を北向きの竿にかけて水をかける。これを抜け通りと呼び、以後は日常の干し物を竿に同じ向きへかけることや、竹の細い方から先に通すことを忌む。
- 細部
- 埼玉県熊谷市に伝わる葬送に関する習俗である。人が亡くなると、その仏が四十九日の旅路の途中で喉を渇かせないようにという願いから、四十九日間にわたって竿を北向きに設け、そこへ水をそそぐ習わしがあった。この、水をかけた着物を竿から抜き取る所作は抜け通りと呼ばれている。この葬送の作法があるために、日常生活においても、干し物を竿にあえて逆向き、つまり西や北の方角に向けてかけることや、竹竿の細いほうの端から干し物を通すこと、太いほうから細いほうへと抜き通すことは、縁起が悪いものとして忌み嫌われてきた。死者の弔いの作法が、生活の中の何気ない所作にまで影響を及ぼしている例といえる。
- 広まり方
- 1940年刊行の『民間伝承』に伊藤最子が発表した「葬送習俗(埼玉県熊ヶ谷)」に記録されている。
- 地域
- 埼玉県熊谷市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ